犬のしつけコラム第4回「いい子」ほど危ないワナ、レッスンの大切さ
我が家のひゅうがなつ、通称なっちゃんは過酷なサバイバルを経て我が家にやってきた保護犬です。そして驚くほど穏やかな犬です。お散歩していても、小さなお子さんからお年寄りまでなっちゃん!と声をかけてくれます。家の中で一番ご近所さんの知り合いが多い疑惑まで出るほどです笑(多分本当!!)
そして私は、その穏やかさにずいぶん助けられてきました。
だからこそ、見落としていたことがありました。
日常生活も問題なく送れている。
すると、「わざわざ練習する必要なんてない」と、人間側が思ってしまう。
私自身が、そうでした。
普段のなっちゃんは、こちらが困るようなことをほとんどしません。ちょっと待っててね、と声をかければその場で待機してくれる。何も言わなくても歩調を合わせてくれる。
だから私は、「なっちゃんと何かを練習する」ということを、暴れん坊やんちゃ娘のひなきほど必要としてこなかった。
ところが――
ごくたまに、見知らぬ環境でテンションが爆上がりしたとき、私の声は彼の耳を完全に素通りします。
楽しいーーーと駆け回るなっちゃんにいつものようなのんびりとしたマテもオイデも一切効かなくなってしまうのです。
ひなきと増やしてきた「共通言語」
ひなきとは、たくさん動いて、たくさんやり取りして、共通言語を増やしてきました。暴れん坊でやんちゃな彼女はまるで鉄砲玉。「マテ」も「オイデ」も、興奮したときにこちらへ意識を戻すことも、何度も何度も一緒に練習してきました。
困ることがなかったからこそ、なっちゃんとは練習してこなかった。
なっちゃんと私。
ひなきと私。
関係は同じような形ではありません。
でも、毎日の輸液を静かに受け入れてくれる彼を見ていると、関係というものは、目立つ「やり取り」の多さだけでは測れないのだと感じます。
いざという時のための「共通言語」
しかしだからこそ、いざという時の共通言語はどの子とも紡いでおかないと、大事なその子自身を守ることができない。
「普段困っていないから」と、その子との共通言語を増やす機会まで見落とさないこと。
困ってから始めるのではなく、困っていない今だからこそできることがあります。
きちんとマテの合図で待つ。
オイデで喜んで首輪を掴ませてくれる。
そんな最低限の、安全のためのレッスンは、どんな子にでも。どんな気質で、どんな絆の子とでも、必要なのだとなっちゃんは私に教えてくれました。