犬のしつけコラム第12回おやつゼロ神話への叛逆

Prism Dog School

2026/09/14 12:00

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🍪 第12回:【3行で解説!】「おやつなし」がゴール?
1. トレーニングでは、ご褒美を渡す頻度を調整したり、犬や場面によって使い方を変えたりすることがあります。
2. でも、「おやつがないとできない」ことと、「おやつがないなら、やりたくない」ことは同じでしょうか?
3. 大切なのは「おやつゼロ」を目指すことではなく、その犬、その場面に合った方法を選ぶこと。必要なら、一生おやつを持ち歩いたっていいんです。

「おやつがないと言うことを聞かなくなるから、おやつで釣るのは良くない」
「愛犬には、おやつがなくても私を信頼して動いてほしい」

現場でもよく耳にする言葉で、理想としてとてもきれいに聞こえる言葉かもしれません。

でも、私は少し立ち止まって考えてみたいのです。
「おやつがないとできない」って、本当にそんなに困ったことでしょうか?

おやつがあれば、できる。
それならそのおやつを使えばいい。

もちろん、トレーニングの中でおやつを見せて誘導する段階から次へ進んだり、ご褒美を渡す頻度を調整したりすることはあります。その方が楽しく取り組める犬だっています。

でも、それは「すべての犬が、すべての場面で、最終的にはおやつゼロを目指さなければならない」という話とは別なはずです。

そもそもその子は、本当に「おやつがないとできない」のでしょうか。
「おやつがないなら、やりたくない」だけかもしれません。

とはいえ、私自身も「おやつなしでできる方がいい」という考えに、引っ張られたことがあります。

🍪 ハーネスと「一粒の約束」

我が家のひなきは、ハーネスを装着するのが苦手です。
今でも、ハーネスを出すと「いやー」となることがあります。
ですが、フードが一粒あれば話は別。彼女は自分から頭を通してくれます。

家族はこの様子を見て「甘やかしている」と言いました。

そうか、甘やかしているように見えるのか、やっぱりフードなしでもできるようにならなくちゃ!

ある日私は彼女の首輪をキャッチしてハーネスを装着しました。

ひなきは人を咬むという選択肢がない犬です。力で抑え込めば、装着するのは容易い。――筈でした。

そうやって装着した、その時のひなきの顔、私は一生忘れません。眉間に盛大な皺を寄せて、上目遣いに「……なんでぇ?」と。あんなに悲しそうな顔を見たのは初めてでした。

装着できたのは、私が正しかったからじゃない。私を信頼しているからでもない。彼女が牙という武器を持っているのに、それを使わずに耐えてくれたから。私は彼女の優しさに、ただ乗りしていただけ。

さて、本当に甘えていたのは果たしてどちらだったでしょうか?

そして――次の日から、私はハーネス装着時に再度必ず一粒、フードを持つようになりました。
彼女が我慢するのではなく、自分から頭を通してくれるように。

一粒あれば、ひなきは自分から頭を通してくれる。それなのに私は、なぜその一粒をなくすことに価値があると思ったのか。

フードなしでも「装着すること」はできました。

でも、これは「できるようになった」ではない。

おやつを使うか、使わないか。大切なのは「ゼロにすること」そのものではなく、その犬、その場面に合った方法を選ぶことではないでしょうか。

🍪 では「一生おやつを持ち歩かなきゃいけないの?」

私は自信を持って答えます。必要なら「YES!」と。

お散歩で苦手な犬をスルーできた時。何も言わなくてもこちらを見た時。その子が頑張った一瞬一瞬に、「頑張ったね」「ありがとう」を形にできる。

もちろん、毎回必ずおやつでなければならないとも思いません。犬によって、場面によって、ご褒美の種類や頻度を変えることもあります。

そして、私がおやつを渡したい理由は、トレーニングのためだけではありません。

私は、犬がこちらの都合に付き合ってくれた時には、「協力してくれてありがとう」と返せる関係でいたいと思っています。

だから、必要なら私は一生おやつを持ち歩きます。

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