犬のしつけコラム第10【前編】 「犬になめられるな」から降りてみる ――「支配」から「推し」へ
💪 「力でねじ伏せる」なんて、もうおしまい。
「犬になめられてはいけない」「飼い主がアルファ(頂点)になれ」。
かつてドッグトレーニングの世界では、そんな「力による統治」が絶対の正解だと信じられていました。
そもそも、出発点となった狼の社会についての理解そのものが、現在では大きく更新されています。
そして、
犬は、狼ではありません。
犬は長い家畜化の歴史の中で、人との関わり方にも狼とは異なる特徴を持つようになりました。
そう考えると、「犬になめられてはいけない」「人間が上に立たなければならない」という発想そのものを、一度手放す必要があるのではないでしょうか。
💕 「言うことを聞かせる」より「推される自分」へ
私たちが目指すべきは、ムチを振るう独裁者ではありません。
犬たちから「この人についていけば間違いない」と信頼される、いわば「最高のリソース(資源)提供者」。犬にとっての『いいこと』を全力でプロデュースする、いわば「推し」の存在になることです。
犬にとって、危険から守ってくれる安全のシグナルであること。
美味しい食べ物や快適な環境など、暮らしに必要なものを提供してくれること。
そして、猫スポット巡りのような「楽しい!」を一緒に見つけてくれること。
そんな経験を日々積み重ねていく。
私が「上」だからついてくるのではなく、この人と一緒にいると安心できる。この人と一緒なら面白いことがある。
そうやって、犬自身から選ばれる存在になっていく。
「恐れられる私」ではなく「推される私」
目指してみませんか。